
個人に合わせるアーユルヴェーダ、不調を調整する薬膳。その違いとは?
eatreat.は、アーユルヴェーダの「食」にフォーカスした"ホリスティックケアサービス"です。
お客様などにも
「アーユルヴェーダに料理の側面があるの?」
「それってスパイス料理?カレーみたいな感じ?」
と顔に??を浮かべて聞かれることが、たくさんあります。
その次によく言われるのは「それって薬膳ですか?あれ、でも薬膳はスパイスは使わないのか...」と一人ごちる方も。
薬膳といえば、なんだかナツメとか、クコの実とか、そういった生薬を使うなんとなく
中華っぽい料理...そんな漠然としたイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。
ボディケアとしても、アーユルヴェーダのオイルマッサージより、鍼灸院で施術を受けたり、漢方薬局で処方薬をもらったりする方が、日本人にとっては身近です。
実際に、アーユルヴェーダ料理と言っても一つもメニュー名は思いつかないけど、薬膳といえばとりあえずお粥なのかな?参鶏湯とかもそうかな?
て感じなのではないでしょうか。
今回は、身近とはいえあんまりよくわかってもらえていない「薬膳」と、「アーユルヴェーダの料理」との違いについてお話ししていこうと思います。
個人に合わせる「アーユルヴェーダ」
不調を調整する「薬膳」
アーユルヴェーダはインド発祥の代替医療、それに対して中国発祥の代替医療が「中医学」です。
「薬膳」はその「中医学」の食事法です。
※アーユルヴェーダに「薬膳」に当たる言葉は私が知る限りなさそうです。
なので、それぞれの食事法の特徴も、そのもとになる医療の考え方に沿っています。
中医学は簡単に言えば「症状」から人を見るんですね。
寒気や熱、汗、痛み、お通じ、睡眠の状態、食欲などから身体の状態を、気についてもその強弱を病気への抵抗力などから見ていきます。
不調があるのが前提というわけではないのですが、まずはそこから視点のアタリをつけていくイメージです。
「身体と心は繋がっている」という考え方はアーユルヴェーダと同じで、統合的に人を捉えていることも共通します。
それに対して、アーユルヴェーダは「体質」から人を見ます。
vata/pitta/kapha、3つの生命エネルギーのうち、遺伝的にどのドーシャが優勢か、また、心の性質でもrajas/tamas/sattvaの3つのうち、生まれもってどのようなバランスか、今現在どのような状態かなど、さまざまな視点からその人そのものを見ていきます。
もちろん、問診をする上で、その人の主訴を捉えるために「便秘」と言われたら、具体的にどんな便秘なのか、コロコロうんちが続いている乾燥性便秘なのか、しばらく便意すら催さない緩慢な状態なのか。詳しく聞いていきます。
それを通じてわかる、生まれ持ったドーシャと現在のドーシャバランスを見て、その人に合わせた食事法を提案します。
こんな感じで、
- その人に合った食事をすることができるアーユルヴェーダ
- 不調そのものを調整することができる中医学
という違いがあります。
「薬食同源」薬膳にもアーユルヴェーダにも、予防と治療の側面がある
アーユルヴェーダの目的といえば
「健康な人の健康を保ち、病気の人の病を治すこと」
ですが、
薬膳にも
「生薬を使い、病気を治す料理」と、
「生薬ではなく旬の食材を使い、病気になるのを防ぐために作る料理」
といったように予防と治療の両方の側面があります。
食事と薬は同じもの、そして生薬を使えばより具体に治療に近いものを作ることができ、生薬を使わなくても、病気になりにくい身体を作ることができる。
これは薬膳でもアーユルヴェーダでも言えることです。
さらに、生薬を使わず「旬の食材」を旬のうちに、というのは和食でも同じ考え方をしますよね。
イタリア料理だって、フランス料理にだって、同じ考え方があります。
新鮮な食べ物を美味しく適量食べるだけでも、なんだか元気になり、病気になりにくい身体をキープできるよう予防する。
これは薬膳の生まれた中国や、アーユルヴェーダが生まれたインドを飛び越えて、世界中どこでも、自然と共有している健やかな考え方なんだと思います。
ただ、アーユルヴェーダと中医学は、れっきとした代替医療で、民間療法や、一般的な健康法とは一線を画します。
- その人に合った食事をすることができるアーユルヴェーダ
- 不調そのものを調整することができる中医学
ということを考えても、
- そもそも病気になりにくい身体を作るならアーユルヴェーダ
- 気になる不調をちゃんと食事で治したいなら中医学(薬膳)
と考えて、両方知っておくのも面白いかも知れないですね。
薬膳の「生薬」アーユルヴェーダの「スパイス」
共通するアイテムもたくさん
薬膳で使う生薬といえば、
- なつめ
- 八角
- くこの実
- 松の実
みたいな感じかなと思う人が多いのではないでしょうか。
いわゆる参鶏湯に入っているものたちですね。
一方、アーユルヴェーダが生まれたインドで作られる料理は「スパイス」を使って
いることから、
- クミンシード
- マスタードシード
- 唐辛子
なんかを浮かべる人が多いかもしれません。
でも実際には薬膳の「生薬」アーユルヴェーダの「スパイス」には共通するものもたくさん。
スパイスは日本語に訳すと「香辛料」ですが、その香辛料は「生薬」つまり薬の元となる
ものがたくさんあります。
例えば、日本人の家庭には必ず一個あると言っても過言ではない「大正胃腸薬」の元は、
カレーに必ず入っている「フェンネルシード」だし、身体を温めたいなと思った時に自然と手に取る「生姜」は香辛料でもあり、生薬でもあり、漢方薬にはあちこち含まれる素材です。
薬膳とアーユルヴェーダ料理、それぞれの間にも、共通して使うアイテムはたくさんあります。
アーユルヴェーダにもなつめはありますし、唐辛子は薬膳にもたくさん登場しますし、アーユルヴェーダのフェンネルシードは「ウイキョウ」と名前を変えて薬膳にも存在します。
中国とインド、この二つの大きな国は同じ大陸の地続きの国です。
そして、インドで生まれた仏教が中国に伝播する流れで代替医療の知恵も伝わった、という説もありますので、生薬とスパイスに共通点があるのも当たり前ですよね。
アーユルヴェーダの料理は土地によって変化自在!
和食もアーユルヴェーダの料理になる
薬膳は基本的に、その調理法としては中華がベースになります。
バリエーション豊かなお粥、お肉やキノコを使った鍋のような料理など、日本人としても親しみ深いメニューがたくさんあります。
それに対して、アーユルヴェーダの料理は人の「体質」に合わせて、季節や年齢の変化に気持ちよく適合できるように、その人が暮らす土地で慣れ親しんだもの、新鮮でできたての料理を、消化に良く食べる。
といった「考え方」でメニューを組み立てることができます。
そのため、
- ご飯と味噌汁、焼き魚とお浸しなどの献立
だって「六味が揃ってて、土地のもので、旬の脂が乗った魚で、アーユルヴェーダだね!」
てことになりますし、
- 丸鶏になつめや生姜、ニンニク、松の実、くこのみをつめた参鶏湯
だって「肉の出汁がたっぷり摂れて、身体を内側から滋養し、かつたっぷりのスープで
消化にいいから、アーユルヴェーダだね!」ということになります。
和食だってアーユルヴェーダの料理になる。
それぞれの土地でそれぞれのアーユルヴェーダ料理を考えることができる。
この自由さがアーユルヴェーダの魅力の一つです。
考える時に大切なことは、それが自分にとって「合ってるかどうか」です。
例えば、
- ご飯と味噌汁、焼き魚とお浸しなどの献立
の場合、アーユルヴェーダでは「魚」は海から来たもの。ドーシャでいうとPittaを上げる食材の
ため、Pittaの不調である炎症が起きている人や、起きやすい体質の人には魚は薦めません。
一方、
- 丸鶏になつめや生姜、ニンニク、松の実、くこのみをつめた参鶏湯
だったら、肥満傾向で、少し痩せた方がいいKapha寄りの方にはBestとはいえないのです。
「否定することはない」けれど「合ってるかどうか」はよく見ます。
こんな感じで、合ってるものを知るために「自分を知ることが大事」というのが特徴的なところ。
頭を柔らかく、
薬膳もアーユルヴェーダも好きなところを取り入れて
こうして考えると、薬膳料理はつまり、中国の人にとってのアーユルヴェーダ料理
なのでは?という気もしてきます。
また、日本人であっても、お湯たっぷりで煮込んだ豚や野菜がたくさん入った水餃子が
身体を滋養することだってありますし、お粥は本当にいろんなシーンで日本人の私たち
を助けてくれるアーユルヴェーダ料理です。
アーユルヴェーダにおいては、
- まず個人に合っていること
が一番大切ですが、そのほかにも
- 土地のもの、旬のものを用いているか
- 新鮮か
- 出来立てか
- 感謝して食べているか
- 消化に良い状態で摂っているか
といったことの方が大切です。
今回は「薬膳」と「アーユルヴェーダ」の違いについて詳しくお届けしてきましたが、eatreat.としては頭を柔らかく、どちらも好きなところを取り入れつつ、いつも新鮮で出来立てのものを美味しく、感謝して食べればそれだけで「薬食同源」と言えるんじゃないかな!と思います。
そして食べ終わった後、なんだかこころも身体も軽くて、次の食事までに気持ちよくお腹が空く。
そうした感覚を大切に、日々の食事を食べていきたいですね。
eatreat.の参鶏湯レシピで
薬膳とアーユルヴェーダがマッチした料理を楽しもう
eatreat.では「これは中国のものだから」「これはインドのものだから」と分けることなく、アーユルヴェーダの考えで日本に合った料理を提案しています。
そのため、韓国生まれの参鶏湯だって十分に日本人に必要なアーユルヴェーダ料理。こちらからアーカイブの料理教室を視聴することができますので、興味がある方はぜひトライしてみてくださいね。