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アーユルヴェーダの肝心要は「消化力」

アーユルヴェーダの肝心要は「消化力」

新鮮な野菜に、軽めのご飯、温かいスープにお白湯。

健康を意識した食事を日々気をつけるあなたの隣で、夜遅くにカツ丼を食べてもニコニコしている育ち盛りのお子さんを見て「自分も昔はこうだったな」なんて感じることはないでしょうか?

その違いは「消化力」アーユルヴェーダの言葉では「アグニ」と言います。

体質がそれぞれみんな違うように、アグニも人それぞれ。年齢によっても変わるし、季節によっても変化します。生まれ持って強い人もいれば弱い人もいますが、体質よりは工夫次第で強くしていくこともできるものです。

 

この「アグニ」実はドーシャ以上に大事なもの。はじめにアグニ、なんだかんだいってアグニ、どこまでいってもアグニ。十二指腸あたりにあるアグニを「お腹の中の火の神様」として、神様にお供え物をするような気持ちで食事をしましょう、とアーユルヴェーダでは伝えています。

これはなぜかというと、アグニを大切にしないと、消化できるものも消化できず、未消化物(アーマ)が現れてしまうから。アーマは宇宙のチリのようなもの。皆さんの身体の中で宇宙のチリのように浮遊して、流れていくものも流れないように阻害し、なかなか排出されず、病気の原因になってしまいます。

自分自身のアグニの状態を理解して、消化力に合った食事を心がけることが、アーユルヴェーダの食事法で一番大切なことです。

 

あなたのアグニはどのタイプ?

アグニのタイプは大きく分けて4種類あります。ご自身の傾向をチェックしてみましょう。

 

①ヴィシャマ・アグニ(不規則な消化力)

早く消化したり、なかなか消化しなかったりムラがある。

便秘と下痢を繰り返すことも。

vataが優勢な体質に多いです。

 

②ティークシュナ・アグニ(鋭い消化力)

食べた食事が規定の時間よりも早く消化される鋭い消化力。

規定の時間は目安が5時間程度。

それより早く空腹感を感じ、イライラしてしまう方はこのアグニかも。

pittaが優勢な体質に多いです。

 

③マンダ・アグニ(緩慢な消化力)

食べた食事が規定の時間を過ぎてもなかなか消化されない緩慢な消化力。

便秘というよりは腸が蠕動運動を忘れて動かない感じです。

きちんと運動をしたり、ヒネリのポーズなどをしていればその刺激ででることもありますが、体質的にはkaphaが優勢な方に多いです。

 

④サマ・アグニ(正常な消化力)

バランスのとれた消化力。

規定の時間に消化され、便の状態も普通。

心地よくお腹が空いたと感じ、食事も美味しく食べることができます。

全てのドーシャがバランスされて初めて、このアグニの状態を保つことができます。

 

アグニを大切にするアーユルヴェーダの食事法とは?

生まれ持った体質によって①〜③のアグニタイプに当てはまる場合、特に気をつけたほうがいいのは①のヴィシャマ・アグニです。

vata体質に多いこのアグニを持つ方は、自らの食生活が「不規則」になりがち。

・食欲にムラがあるので、食べたり食べなかったりする

・いろんな食べ物に興味があるので、あれこれ食べている

・食事時間・睡眠時間などにばらつきがある

など、もともと不規則なアグニを持っている上に、ますますそのアグニの状態を悪化させる食生活を送りがちです。

 

これによって未消化物(アーマ)が増えると、なかなか排出されない不要な未消化物の重みで次のような状態になってしまいます。

・倦怠感がある

・元気が出ない

・舌ゴケが多く、口腔内に異臭がある

・おならや腹部膨満感があり、便も臭う

・朝起きられない

 

アーユルヴェーダが理想とする幸せな人生は、身軽かつ安定感のある心身で、やりたいことをやり、行きたいところに行ける楽しみのあるものです。

不要な重みで身体を引きずり、けだるい毎日を送るのは残念ですね。

 

そこで、ヴィシャマ・アグニの人も含めて、どんな人でも今日からできる「アーユルヴェーダの食事法」を簡単なところから紹介します。

 

①空腹を感じてから食べる

アグニはいわば腸内の工場長のようなもの。

常に間食をして工場長にフル稼働してもらっていては疲れさせてしまいます。

実際に、消化にはたくさんのエネルギーが必要とされるめ、食べ方・食べる内容・食べた後の過ごし方などが消化力に合ってないと、倦怠感や集中力の低下、睡眠の質の低下にも繋がります。

なんとなく口さみしいから食べる、時間になってから食べるといった食事はやめて、まずは次にちゃんと「お腹が空いたなあ」と感じてから食べるようにしましょう。

定期的な時間に空腹を感じるようになったら嬉しい兆候です。

 

②朝と夜は軽く、昼を最も重んじる

朝は起きたてで、まだ身体が寝ぼけています。

一方で夜はもう活動することもなく、眠りに入るだけ。

そのため朝と夜は軽く温かいものを。

昼食を最も重んじて食べるようにすると、身体の流れが良くなります。

日本人の生活だとなかなか難しいと思いますが、まずは休日だけでもやってみましょう。

 

③内臓に近い温かい温度のものを食べる

消化に良い食事は、胃腸に負担をかけない温度のものです。

過度に冷たいもの、熱いものはそれだけで胃腸に調整のための負担をかけてしまいます。

かき氷やアイスクリーム、揚げ物はもちろん、生野菜なんかもアーユルヴェーダでは「消化に重たい食事」に分類されるので、野菜をたっぷり摂りたいなと思ったら蒸し野菜や茹でた野菜のスープの方がオススメです。

 

④満腹になるまで食べない

胃腸が飯盒炊爨の飯盒(はんごう)だと考えてみましょう。

満杯まで食材が入ってしまうと、水分も空気も入る余地がなく、ご飯が美味しく炊けません。同じように、胃腸が満杯になるまで食事をしてしまうと、消化に負担がかかります。

「あーお腹いっぱい!」とお腹をさするくらいまで食べるのは時々にして、毎日の食事は腹7.5分目。満腹ではないけれど、心が満足する食事が理想的です。

 

⑤白湯や生姜でサポートする

消化力が低いなと感じる人は、食後や寝る前、朝起きた時にに少しずつ白湯を飲むことから始めましょう。

白湯は身体を温めるだけでなく、食事の消化を促し、未消化物の排出にも役立つ、シンプルながらとても良い飲み物です。

あまりたくさん飲むと胃液が薄まってしまい、消化に負担がかかるので、食事中の白湯の飲み過ぎには注意です。

また「食前の生姜」といって、薄切りの生姜に少量の岩塩をぱらっとかけ、レモンを絞って食事の前に食べるのはアーユルヴェーダで最も有名な食事法です。

ティークシュナ・アグニやサマ・アグニの人には必須なものではないので、あくまで消化力が弱目のヴィシャマ・アグニやマンダ・アグニの方がやってみてくださいね。

 

⑥感謝しながらゆっくり、落ち着いて食べる

食事の時間は「20分程度」短すぎてもいけないですが、長すぎても消化に負担がかかるため、これくらいの時間をかけてゆっくりと、落ちついて食べましょう。

お腹にガスが溜まりやすい人・便秘の人に多いのは、食事中の「お話のしすぎ」です。友達や家族とおしゃべりしながら食べるのは楽しいですが、その分身体が食事に集中できず「何を食べてたっけ?」となりますし、咀嚼しながらしゃべることで余計な空気が体内に入り乱れて、それがガスの原因になります。

腸内に溜まったガスは、便の形成を妨げるため、それが便秘につながってしまうのです。

便秘がちな人ほどおしゃべりな人が多いので難しいところですが、まずは昼ごはんだけでも1人きりでゆっくり落ち着いて食べる機会を持って、お腹の具合を確認してみてくださいね。




いかがでしたでしょうか?

ドーシャだけでなく、アグニのタイプもわかるようになると、ご自身の体質や個性に輪郭が帯びてくると思います。

「何を食べたら、何を摂ったらいいか?」ということよりも、まずは普段の食生活の中で見直せるポイントを探して、シンプルなことから始めてみましょう。

朝起きた時に身軽で、晴れ晴れしい気持ちが持てること。

すぐにお手洗いに行き、すっきりと老廃物を流し、流れの良い1日を送ることができると、いろんなことが前向きに回っていきます。

1にアグニ、2にアグニ、3から9まで通して10もアグニ。

皆さんのそれぞれのアグニを大切にしてくださいね。

 

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